今携帯に興味が有る人なら800MHzはよく飛ぶ、2GHzは余り飛ばないなどの知識はほぼ
常識となりました。詳しくない人でもauは部屋の中でも良く入るよ程度は知っていたりします。
何故このようなことが起こるのでしょうか。
波長が影響している事は科学が好きな人なら分かると思います。
何も考えず下図を見てください。図はクリックすれば拡大します。

800MHzと2.0GHzの波形の比較です。この中で色の明るいところがあります。
これが壁だとするとどうなるでしょうか。800MHzは壁の中を短く半波長もかからず
通過していますが、2.0GHzは1波長まるまるかかっています。
ちなみに2GHzは1波長15cm、800MHzは37.5cmです。
15cmの壁は1波長かけて通過するわけです。
勿論壁だけではなく、空気・水あらゆるモノが電磁波を吸収し弱めてしまいます。
ですので何もない見通しがきく場所でも波長が短ければ空気やその他のものの影響を
受けて減衰します。チリも空気もない空間ならもしかしたら全く減衰しないかもしれません。
ちなみに周波数により時間あたりに進む距離は変わりません。
進む速度は周波数に関わらず30万キロ/秒で光と同じく1秒で地球7週半です。
ですのでスピードが同じなら波長が長いほど壁の影響は受けにくいわけです。
ちなみに周波数が高いほど情報が沢山乗せることが出来ます。
これは同じ15cmの距離でも1波長になる2GHzと2/5波長しかない800MHzでは
うねりを取ってまっすぐ伸ばすと2.5倍の長さの違いが有ります。
2.5倍解像度を高める事が出来るのでそれだけ情報を多く乗せることが
できるというわけです。
逆に壁を体に変えたとすると体の中を2.5倍の距離をかけて通過する2.0GHzの
ほうが大きく影響するというわけです。体がそれだけ振動した電磁波が突き抜けて
いると思えばいいでしょう。
ただし影響は出力に大きく影響します。出力は上の図では上下の幅になります。
上の図を100Wのときと置き換えると携帯端末はFOMAだと0.25W程度ですから
上のグラフで2.0GHzの波形が0.25の高さでうねっていることになります。
高さが低いと直線と大して変わりませんので体を突き抜ける距離は800MHzと
ほとんど変わりませんね。
周波数と共に出力も大きく影響するというのは図式化すればよく理解できると思います。
今回は携帯に関わる一番入り口の部分の電波について語ってみました。
:裏話:
:正弦波の図を描こうとツールを漁りましたが、意外とこういう基本的な図形を描ける
:ツールってなかなかありませんね。仕方が無いのでEXCELのVBAでsin()でセルに
:それぞれ1000個づつ計算した数字を出力してそれをグラフ化しました。
:上の図は実はsin関数による折れ線グラフです。
- 関連記事
-
- 2008/09/11(木) 20:00:47|
- 携帯
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0