NTTドコモ、iPhone5Sから取扱い開始か ―海外筋 ~ ガジェット速報あれだけしつこかった日経の「ドコモからiPhone」ネタが最近おとなしくなっている。
さすがの日経もどっちかというと「アップルは賞味期限が切れた」的な記事にシフト
しており、もう「ドコモからiPhone」の記事は人の目を引かない事を悟ったのでしょう。
同時に他からもそういった記事は消えてきたように思う。
しかしまだそういう記事を載せている貴重な所も残っていたりします。
中にはこの元になっているBARRON'sのように風向きの変化を感じ取っていないかの
ような記事もまだ残っているようです。
>また、生産時期や発売時期についても言及しており、iPhone5Sの生産が6月のリリースに
>向けて3月にも開始されるだろうとしています。これは「iPhone 5」の販売台数が減って
>きていることから、生産リソースがiPhone5Sの生産に向けられたものであると考えられる
>とのことです。また「廉価版iPhone」についても同時期に中国でリリースされるとしています。
ここを読むと、「iPhoneの販売台数が落ちてきたからiPhone5Sを予定よりも先行させて
発売する」という風に読めるのですが、iPhoneってそんな売り方をするものなんでしょうかね。
1年に1回という発売を大ヒットにつなげる為に、「新しいiOSのプロモーションを
きっちりやって値打ちと世間期待を高める」「ベータ版を通じて期待をさらに煽る」
そうして発表⇒発売という道を踏んで、スタートダッシュでどれだけ並ばせて、
どれだけ初期に吐いてしまおうかという作戦のように思っています。
初期が出ればイメージは高まってより高い軌道に乗るという売り方をしてきたと
私は考えています。
それを「売れなくなったから次のモデルを早期に出します」では好循環出来ていた
はずのものが突然逆回転を始めることになります。
そもそも既に大きくブレーキがかかって減速を始めているものに次期モデルの
早期発売は、更に急ブレーキををかけるようなもので、例えば記事モデルが
iPhone5Sとして、そのiPhone5Sを発売した直後は確かに買い替え需要を取り込んで
一時的な山は作れます。
しかし新規モデルは戦略的に売らなければその後が悲惨な事になります。
一時的に盛り上がりは作っても、その端末への印象は深い傷を負う事になります。
世間にiPhoneはもう終わった感を大きく印象付けることになってしまい、
最終的には負の効果の方が大きくなります。
例えばiPad miniに需要が移行したという事情は有ったにせよ、iPad 4thの
販売状況は、このタブレット全盛の中で順調とはとても言い難い状況です。
例えば
新しいiPad、300万台を突破(2012/03/19) ~ アップル公式ページApple、3日間で300万台のiPadを販売(2012/11/05) ~ アップル公式ページ・iPad 3rd
>新しいiPadは米国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、香港、日本、
>プエルトリコ、シンガポール、スイス、英国、米領バージン諸島で既に販売中です。
バージン諸島とプエルトリコといった殆ど数にならない所を1カ国と数えても
11の国で発売。3日間でWiFi版が150万台、全モデル合わせて300万台。
・iPad 4th
>iPad miniとRetinaディスプレイ搭載の新しい第4世代のiPadは共に、米国、
>オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、香港、日本、韓国、英国を
>含む34カ国で販売を開始している
iPadとiPad miniを合わせ、しかも合計34ヶ国もの国で発売しても倍にしか
なっていない。本来比較にならない数字をさも前回の発表と比較してくれ
的な数字の発表の仕方は問題。
iPad miniという新しい安価な端末は売りやすくしかも今まで買えなかった
層が飛びつく類の端末で有るにも拘らず、国数を3倍に増やしてもこの程度。
これが発売時期を前倒しして端末を発売する時に起こる問題。
しかも客からはminiを出した事で「安売りに走った」という印象も付き、
さらに端末を連発する事でのプレミアム感の喪失という問題もある。
「もうアップルには期待しない」
「他からも似たようなのは沢山出ているし、iPadで有る理由は無い」
こう思わせてしまう大きな理由になる。
アップルがプレミアムなニッチに徹する事が出来ず、広くマスを取りに行った
事でアップルの唯一と言っていいプレミアム
感が損なわれてしまったのは
大きい。後は物量勝負に陥っていくのだから勝つのは難しい。
新iPad、全体の1/3以上をWi-Fi 16GBモデルが占める ~ ascii.jpこの記事からもやはり安い端末が売れている事がくっきりと表れている。
また発売直後にしか売れにくくなっているという事もこの記事の以下の
からうかがえる。
販売指数(初代iPadの3日間(2010年5月28日〜30日)の販売台数を基に算出)
初代iPad 1.00
iPad 2 0.92
新iPad(第3世代) 0.63
幾ら販売網の裾野が広がっているとは言え、一店舗毎の売り上げがここまで
みるみる減っている状況で「売れている商品」と胸を張って言うには問題が
有るように思う。
iPadで起こったそれらの現象にほおっていても急速に近づいているiPhoneですが、
アップル自身が6月発売というトドメを刺すのならお笑い草です。
まさか6月に出して更に年末も出すとか、完全に埋もれた端末まっしぐらです。
更にこうして端末の発売頻度を上げるとOSのアップデート問題が必ず
出てきます。アップルは一体OSのアップデートのリリースの度に一体、
いくつの端末に対してリリースするつもりでしょうか。
大して変わり映えしない何機種もの端末に今後もアップデートを出し続ける
事の苦しみを味わい続けることになっていきます。廉価版とかちゃんちゃら
おかしいのはこういったOSの保守性という部分からも否定的要素として
考えていくことが重要なのです。
ただでさえiPhoneとiPad、iPod touchといった端末が毎年増え続けているのに、
その数が増えるペースを上げる選択をアップル自身が取ったら自爆スイッチを
自分で押したも同然だと私は考えています。
WindowsやAppleOSは一つのコードが世界中のあらゆるハードウエアで動いて
いるからテストは大変ですが、ハードウエア毎の非互換によるフラグメントは
有りません。
しかしiOS端末はハードウエア毎に別々にコードを書いてそれぞれにリリース
する必要が有ります。そこを取り違えた時、悲惨な事が起こります。
アップルはPCメーカーとしての出自のおかげで、当初は端末だけの運用を
認めずPC母艦方式、クラウドではなくPC集約型。OSも初めは最小限の
リリースに留まっていましたが、年々一社当たりで担うOSの種類が
フラグメント化が進行する事を軽減できるどころか、より進行させて
しまう方向に動いています。
リンゴの賞味期限 ~日経テクノロジー編集部BLOGまた、アップル大好きだった日経にまでこんな記事を書かれてしまう始末。
アップルの苦しみの本番はここからだと思います。
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- 2013/02/18(月) 19:39:49|
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