auに追いつき追い越せ エリア品質向上にかけるドコモの意地ドコモが怒涛の勢いで基地局を立てエリアの仕上げ・穴埋めをしている。
しかしどれだけ作ろうとも「完璧」と言うには未だに数多有る不感地域や穴を埋めなければ
不満は無くならない。エリアを奥地まで一つ広げれば、広げた場所の室内や更にその奥の地区
から不満の声が新たに出る。無限のいたちごっこだ。しかしより完璧を目指すにはその声に
応え続けていかなければナンバー1の名前は得られない。
一方auはと言えばN800MHzが本領発揮をし始めた。今のauの本命はN800MHzだ。
どんどんと新規でN800MHz局を立てている。3月にツーリングに行った際にも基地局工事を見かけ、
鉄塔の下部にぶら下がっていた技術者に声をかけて聞いてみた。
鉄塔はハンザマストタイプで高さ48m、2GHz併設無しのN800MHzのみの局。
(クリックで拡大)出力は聞き忘れたが、一帯をカバーするための基幹局であることは設置位置や高さで
明らかだった。auはこのタイプを今相当な勢いで立てている。恐らくこれ1局でドコモの
2局分程度のカバーエリアと考えてもいいだろう。
しかしauのN800MHzは速度が出ない。基本的に速度を出すにはは2GHz局の方が有利だ。
auユーザー自身でも2GHzを掴んでいれば速度が出やすいと認めている人が多い。
きっちりテストをしたわけではないし、電波のプロでもない私がこんな事を言うのもアレかと思うが、
同じ帯域幅なら800MHzより2GHzの方が接続ユーザー数を多く取れる、または同じユーザー数
なら速度を出しやすいと思われる。同じ帯域幅でのペイロードが違うのではないかと考えている。
これは以前に
800MHzと2GHzの波形を図解したように2GHzの方が単位時間当たりの
波の移動距離が長く、より多くのペイロードを詰め込んでも復元できると解釈しているが、
詳しい方がいたら私の意見の真偽と理由の解説をして頂けたら幸いです。
後注:コメントに詳しい方により分かりやすい解説を頂きました。800MHzようのように低周波数で距離を飛ばすと多くのユーザーを抱え込むことになることと、
カバーエリア内に多くのノイズ源を抱えることになってSN比は下がり、速度低下を招きやすい。
だからマイクロセル化するとそれらの問題が一気に解決できる。悩ましい所だ。
auは以上のようにN800MHz帯でエリアを稼ぎ、2GHz帯で速度を稼ぐ形なのでLTEまでは
Rev.Aを拡張して3波を束ねて速度を稼ぐと言うが、ドコモの7.2Mbpsや14.4Mbpsと渡り合うには
速度を稼ぐための2GHz帯の整備が不可欠だ。
ドコモの7.2Mbpsでは軽い所ならファイル転送の実測で3.5~4.2Mbps程度出る。auのN800MHzでは
よくてもこれに追い付くのがやっとだろう。2GHz帯では同程度以上の速度が期待できるようになり、
調子がよければドコモの7.2Mbpsに勝てるのではないかと思う。私の予想では2GHz帯のRev.A×3を
掴んでいればピークで4.0~4.5Mbps程度は期待できるのではないかと思う。もしそうなればLTEまで
の繋ぎとしては十分であり、イーモバイルと速度面では引けをとらなくなるどころか十分勝てる。
今後のauは旧800MHzを意識したN800MHzの敷設だけではなく、データ通信を意識した2GHz帯が
重要になる。勿論UQのことは忘れた上での話しだが。
ドコモはこの夏からテスト的にHSUPA上り5.7Mbpsを開始する。一部の機種でスタートだが、
ドコモ恒例の本番の冬機種に向けた夏のテスト機からのスタートだ。また今までのように速度を
絞った上で接続テストとして使うのだろう。冬にどれだけの機種が対応してくるのか楽しみだ。
その次は14.4Mbpsの開始時期だがこれはUSUPAの一周遅れだろう。2010夏にテスト機、
2010年冬に本番、そしてLTEに引き継がれていくのではないかと見ている。どういう売り方を
してくるのかお手並み拝見。
多分LTEが登場してしばらくは端末の14.4Mbps化が進行し、14.4Mbps機のシェアを増していくと
思います。そうなった時は全国の多くの離島ですらデータ定額で5~6Mbps以上の通信環境が
当たり前になっていきます。USBやカード型端末を刺して使うIOデータなどのWiFi接続機器を
持っていればもはや有線接続がなくても何とかなる時代になって行きそうだ。ドコモは一足お先に
LTEの時代に起こる事を具現化し始めている。未来予想図が透けて見え始めたように思う。
まるで最後に鮮やかにひっくり返すオセロの勝負を見ているようで感心します。
ここまでやれば世代交代時の揺るぎをかなり抑えられるのではないかと思います。
見事な中盤以降の差し足だと思います。
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- 2009/05/08(金) 20:43:19|
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鉄塔の写真をクリックして拡大・・・できないようです(汗)
- URL |
- 2009/05/08(金) 21:59:24 |
- Phantom #-
- [ 編集]
変調方式が同じであれば800MHz帯でも2GHz帯でも伝送速度は変わりません。
しかし800MHz帯は電波が飛びすぎるのでマイクロセル化が難しく、結果として多くの利用者がセル内に存在することになり、速度が落ちます。
もう一つは800MHz帯のアンテナ性能です。
アンテナの大きさは波長に比例しますので800MHz帯のアンテナは大きいです。
これを移動機に納めるためには短縮する必要がありますが、そうすると性能が落ちます。
アンテナ性能が落ちると受信電界強度が弱くなり、EV-DOでは速度低下の原因になります。
基地局側のアンテナも同じようなことが言えて、同じ大きさなら2GHz帯用のアンテナの方が指向性もゲインも設計しやすく、ゲインや指向性が同じならずっと小型に出来ます。
ブロードバンドワイアレスアクセス系の会議でも、800MHz帯以下はエリア重視で800MHz帯以上はパフォーマンス重視だと認識されています。
800MHzはどちらにも使えるがそこそこの性能という感じでしょうか。
- URL |
- 2009/05/08(金) 22:13:33 |
- ほりこし #mQop/nM.
- [ 編集]
>Phantomさん
うっかりミスです、急いで修正しました。
有難うございました。
>ほりこしさん
なるほど、エリア調整が出来てもアンテナの利得の問題が付きまとうのですか。
飛ぶけれど速度が出ないということと一致していますね。
私が考えていた受信した後の問題よりも、受信するまでが大変だということがよく分かりました。
詳しい解説有難うございました。
- URL |
- 2009/05/08(金) 23:06:51 |
- 鈴 #GpEwlVdw
- [ 編集]
今まで(もっと前?)は旧800MHz帯がメインでしたが、2012年7月24日以降ってどんな構成になってるんでしょうかね。
N800は、15MHz幅のうち10MHz幅はLTE向けに使うようなのでCDMA2000系で使うのは5MHz幅だけ。
1.25MHz幅を3つしか入れられないですが、N800でEV-DO出してる局をけっこう見るので
その分音声帯域を少なくしている。
EV-DO×3なんてやると音声不可になってしまうのでやらないとしても、×2ぐらいやってるのだろうか?
ちなみに自宅(川崎市)の近所では2GHzアンテナ真っ盛りです。
ほぼマンションの上にアンテナがあり3セクタ構成、基地局設備はケーブル引き込んでマンションの一室に入っています。
旧800MHzと場所共用のものもありますが、ほとんど2GHz単独局です。
ちなみに自宅最寄りの旧800アンテナは1セクタのみ。
2Gアンテナを掴むと速度が速いというのは、単に混み具合じゃないかなと思っています。
- URL |
- 2009/05/09(土) 15:02:13 |
- Phantom #-
- [ 編集]
>Phantomさん
800MHz帯と2GHzの速度は基本混み具合が一番影響しているのは大いに有ると思います。
800MHz帯は3MHz幅、5MHz幅、10MHz幅の局しかなく、2GHz帯は15MHz幅の局を設置している
のと端末の対応具合もあるでしょうね。
恐らく今後は2GHzでエリアの構築をしなおすのではないかと思います。
800MHzはドコモのように補完的にして5MHz幅で乗り切るのではないかと予想、そうすれば
5MHz幅でも何とかやり過ごせそうに思うのですが・・・。
- URL |
- 2009/05/11(月) 00:59:37 |
- 鈴 #GpEwlVdw
- [ 編集]