タイトルをいきなり間違えてしまいました。
WiFi対応が8機種ですww
今日はドコモとソフトバンクの新機種発表会、ソフトバンクの粋な計らいで両方のライブ中継を
見ることが出来ました。朝の9時半から新製品発表会なんて前代未聞なわけですが、時間的な
優位性を捨ててでも、ドコモと同じ日に先にやってしまうというメリットが大きいなとは思いました。
そうでなければ私も無理して見たりできなかったですから。
というわけで朝からソフトバンクの発表、開始後20分も新機種を全く見せず、WiFiの優位性を
延々と説き、WiFiで雑誌や新聞、映画も見れるようにしますからと宣伝して出したのが
WiFi対応の8機種、なんと900シリーズが5機種、Xシリーズ2機種、あとは来春にAndroidを
出すという久しぶりにドメ携端末でのど派手な内容でした。確かにインパクトは有りました。
しかし941SHの紹介で「XGAはパソコンでもそう対応していない」とか言い出すし、何を
DOS時代の常識を今更話し出すのかと驚きました。XGAはWindows95の時代には十分常識に
なっていましたよ。孫社長がいきなり10年以上前の遅れた常識を披露したので逆のインパクトが
有りました。
その後、内容はカメラの高性能な部分を除けば全てがWiFi、WiFi。
質疑応答までほぼ全ての質問がWiFiかそれから派生・関連する質問でした。
早い話が「この秋冬頃に延期しますと言われていたフェムトセルは一旦お開きですよ~」
(=先日のフェムト対応端末の発言の件は無いことに)ということが確実になったということです。
またこれから先何年にも渡ってWiFiがメインステージのようなことを言っていました。
質疑応答では「LTEよりもWiFiの方が高速だ」とまるでこれから期待するはずの規格のLTEの頭を
抑えるような発言までする始末。それにHSPA+やDC-HSDPAについても期待を匂わせる発言は
ゼロでしたのでソフトバンクの3G以降の回線状況の行く末が透けて見えたような気がしました。
新機種発表会なのに端末の内容よりインフラにこれだけガッカリさせられる発表も珍しいです。
勿論端末は当面は問題のない出来であることは間違いないです。
それはドコモと共通ハードの使いまわしで有るが故の強みではあるわけですが。
電気的にコンパチでなくとも相当な部分でほぼそのまま持ってきていると思われます。
というか、メーカーが設計の段階でそれを考慮しているのだと思いますが。
思い出せば先日の決算説明会でソフトバンクは当面は7.2Mbpsという数字を出したことはこのWiFiへ
の傾倒を既に匂わせていたわけです。「携帯3G国内大手」から「無線アクセスポイント大手」への
華麗なる転換劇の始まりなのでしょうか。そうはならないことを祈るばかりですが。
少なくとも今回の3.9Gの貶し方やHSPA+/DC-HSDPAの扱いを見ると予兆は感じられます。
まとめます。
端末は基本的にはドコモからのハイスペお下がり系機種にWiFiを徹底的に搭載。
フェムト対応は無し。他社が積極的に進める高速回線競争からはお金と技術が無いから脱落。
ネットワーク的には一部でイーモバイルに逆転を許す事を認めた発表会になったと思います。
借金を返す為ことと設備投資は両立しないんだと分かりやすく示したと思います。
もう700~900MHzは不要になったわけですね。
また権利関係の為に映像や音声が途切れることが有りましたが、
白戸家にタランティーノ監督が増えることに。どういう展開なるのか良く分かりませんが・・・。
次に13時からのドコモ。
こちらは今回も山田社長が孫社長に対抗してトップの顔の見える巨大企業を演じてくれました。
大きいんですよ、こういう場の為に一日予定を空けてくれるだけで幾ら広告費を投じても得られる
ことの無いイメージを買うことが出来る。経営哲学者に言わせると反対意見も多いとは思いますが、
コンシューマーに向けた商売戦略としてこれも一つのやり方だと私は考えています。
開始後おおよそ20分は山田社長の全体のオーバービューを語るセッション。
端末とサービスを大きく語り、後は20分づつ担当のトップが話す。合計一時間+質疑応答と
いう内容。
その中にQ-Potのチョコレートホン、SH-04Bのデザイナーさんと、セブンティーンの雑誌の専属
モデル3人がプロデュースしたSH-05Bにその3人を呼ぶということもやっていました。
ソフトバンクにしろドコモにしろ、もう暴力的に大量の人を呼べばいいだろうという発想ではなく、
効果的に必要最小限の人を呼ぶという発想で構成されているように思いました。
本来IRとして発表会が行われているので出演者に拍手が起きるのはまず無いことなのですが、
これらの方が出てきたとき拍手が起きていたのも珍しいなと思いました。最後に社長に対しても
拍手が起きてましたが・・・。
ドコモの発表を見て、朝早くから頑張ってぶつけてきたソフトバンクがかわいそうになてきました。
実力の差が余りにも明確に出てしまっているなと感じざるを得なかったからです。
確かにWiFiを8機種で対応してきたのは頑張っているように思えるのですが、それは設備投資代を
節約するのが目的でしかありません。ソフトバンクの発表を見ただけではそれも余り気にはなりま
せんでした。
しかしドコモの発表を直後に見ると、完全なる正常進化で端末は1200万画素カメラの機種が
かなり多い。WiFiが無くても3Gでのアクセスを保障する方向性であることを「設備投資を怠りま
せん」と社長の口から直々に言ってくれているので見ていて心強い。
去年は確か「ウィジェットの孫正義」と言っている人がいたが、一年後にはそんな言葉は誰も
覚えておらず、「WiFi、WiFi」という掛け声に変わっていた。それがソフトバンク。
ドコモは正常進化のまま何も変化していない。少し退屈だが限りなく頼もしい。
とにかくWiFiしか言わなかったソフトバンクの発表会と違い、ドコモの説明会は形やデザイン、
「誰々向け」のようなことしか言わない。各シリーズで代表的に一機種だけを取り上げるだけ。
例外はPROシリーズと、満を持して発売された二つ割れ分離携帯。
この記事の最後にも書いていますが、
本家・鈴の音情報局のアンケートに誰かがネタで
書いたと思われるものが本当に実現するとは思ってもいませんでした。富士通の人が
たまたまそのアンケートを見て感じるのもがあったのか、それとも偶然にシンクロしただけなのか、
そのアンケートの超少数意見が一つの端末に同梱されて二年弱の時を経て製品として出てきました。
どんな経緯を辿っていたのかは分かりませんがなんとなく感慨深いです。
またiコンシェルのご当地キャラというものも発表されていた。面白い試みでは有る。
以前iコンシェルに対してはこういった記事を書いていた。
当時はファン心理やヲタク心理に対してもうちょっと突っ込んだ展開を期待はしていたが、一応は
一定の進歩は有ったと見るべきか。まだこの分野に関しては伸び代は期待できるのでしっかりと
伸ばしてもらいたい。実際のコンシェルジュ的サービスと、キャラクタサービスに分けて展開を
考えていくと分かりやすいと思います。
新端末には5分に1回、ドコモに自動で位置情報を送信する機能が有ります。これはiコンシェルだけ
ではなく一般のWEBでも利用できる情報だということ。ユーザー側で情報提供を許可したサイトや
サービスにこの位置情報を提供することが出来る。
iコンシェルなども含めてその情報を利用し、空港に近づけば予約情報を参照し、座席の指定まで
完了した通知が届く。本気のコンシェルジュサービスになってきた。ディズニーランドに近づけば
ウェルカムメッセージ、ランドやシーの中ではエリアに応じた情報がiコンシェルの情報として届く。
園内から出ると有難うございましたメッセージが届く。恐ろしくきめ細かいサービスだ。
以前このブログでも要望したスポット天気予報なども勿論のこと、この手のサービスが目指す
本来有るべき姿に近づきつつ有ると思う。
それにしてもドコモの底力というものを徹底的に見せ付けられた発表会となりました。
これはSIMフリー化に対しての強力なアンチテーゼとして作用させる為も考えられているのではと
思いました。一介の電話とWEBサービスやメールを使いたいだけなら通常のSIMフリー端末を使えば
いいが、こういった突っ込んだ一段上のサービスを受けるにはドコモOEMで出ている対応端末が
必要になるということを睨んでいるのかも知れない。
後は
フェムトセルを家庭向けのサービスとしてマイエリアとしてサービスを開始することも発表された。
家族4人までで一台ファミ割MAX50で490円。マルチセッションを張れるプロパイダはNTT東西しか
無いのでドコモとNTT東西とのコラボ商品だ。この冬機種以降でないとフェムトとの自動切換えは
されない。これはソフトバンクが言っていたことと同じ問題が起こっていたと言うことだろう。
過去の機種は手動でマイエリアのフェムトに切り替えることになるという。
この辺り仕方のないところは有るのは分かる。
しかし通話やパケット代が安くなることは検討中とのこと。
実質安くすることは考えていないと捉えても今の所間違っていなさそうでこの辺りやっぱりドコモ
だなと思う。マイエリア限定でもいいから通話定額を早急に導入してください。
マイエリアに関しては失望は無いことも有りませんでしたが、WiFiと100連写しか言えなかった
ソフトバンクの発表会と比べてドコモの発表会は非常に充実していたなと感じさせられました。
好き嫌いを抜きにして今日は孫社長の完敗です。
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- 2009/11/10(火) 19:50:10|
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| コメント:12
>通りすがりさん
そうですね、そのブラウザはなんか妙に支持を得ているようですね。
妙にマニア心を掴むものが有るのは理解できます。
今回私が世間の評と違ってソフトバンクに辛いのは端末よりも将来的なサービスにスポットを当てて
見ているからかもしれません。モノとしては確かに面白い所もあるんですよね。
>名無しさん
私自身ドコモでは905シリーズ、ソフトバンクでは920シリーズ以降でひとまず端末としては満足できて
しまっているので端末の自体の機能に余りスポットを当てて見ていないから意見が食い違うのかも知れません。
確かに単体で端末だけを見ると面白いなと思う所が有る反面、今後のサービスを考えるとドコモは将来の
サービスまで含めた投資と見ることが出来、ソフトバンクは今を何とかしのぐことに躍起になっているように見える。
だからドコモをしっかりと褒めてソフトバンクのWiFi攻勢も後が無いと映っているのだと思います。
それとこのWiFiはN-06Aのようにアクセスポイント化できるのですかね?
それだけが未だに分からないんです。
というか私からすればそれが出来ないなら意味のないWiFiにしか見えないんです。
- URL |
- 2009/11/11(水) 01:05:59 |
- 鈴 #GpEwlVdw
- [ 編集]
ケータイでWi-Fi~まっとうな携帯電話事業者であるドコモ,auには真似のできないサービスだと思います。
携帯電話事業者としてのプライドとしても許さないのではないかと。
ただ、そこをやってしまうところが孫社長のこわいところでもあるのではと思います。
5機種(+931N)のラインナップを揃え、映画、マガストア、ニコ動、Gyao!などのコンテンツも
揃えてきたところはなかなか侮れないと思います。
以前のソフトバンクだと端末展開とコンテンツ展開のバラバラ感もありましたが。
ケータイヘビーユーザーにはMNPしてもよいかと思わせる魅力もありそう。
インフラ整備の原資のためにWi-Fi、ハイスペフルラインナップ(特にSHは3形態)で
高ARPU層をMNPにて獲得する思惑がありそうです。
- URL |
- 2009/11/11(水) 01:46:44 |
- 931SHユーザ #j6qhiXM6
- [ 編集]
Wi-Fi環境、特に家庭内のWi-Fi環境の活用に目をつけたのは面白いと思います。
携帯電話やスマートフォンからのネット利用でも、実は家からのアクセスが結構多いという統計が
出てたと思いますし。個人的に、フォトフレームが高機能化したようなAndroid搭載タブレットが
今すごく欲しいってのもありますが。
ただ、自前のWi-Fi環境だけ使ってても、何故か3G回線のパケット料金が定額上限の4,410円強制固定
だったり色々とアレですね。
具体的なサービスの仕組みや技術については全く触れられませんでしたし…
それに携帯だけを使いこなして場合によっては自宅に固定回線も持たない携帯中心ユーザーと
自宅のWi-Fi環境を使いこなすPC中心ユーザー、みたいな感じで、サービスのターゲットがずれてる
気もするんですが…
- URL |
- 2009/11/11(水) 16:52:02 |
- [削除:削除待ち中] #5Q8Ch4eQ
- [ 編集]
>931SHユーザさん
確かに。
孫社長の強さの源泉はギリギリの泥仕合に対する粘りと、施策にNGを置かないことだと思います。
この辺りの細かいリズムの噛合いはS1バトルで動画の使い方を学んだのかも知れませんね。
>名無しさん
出来ない、させない、出来ても死ぬ。
つまりはこういう事ですかね。
3G回線は出来る限りiPhoneの為に空けないといけないですしね。
>ちやのさん
ソフトバンク的にはWiFiでほとんどのアクセスをして3Gを出来る限り使わないでパケ代を減らされたりしないように
対策しているのでしょうね。サービスにどこか風穴を開けていてくれていたのがユーザーから見たソフトバンクの
いいところだったのですが、これだとドコモとかとやってることは変わらないですよね。
穴が無くて一長一短なのだったらドコモの方がいいやと考える人もいるわけで・・・。
>名無し2さん
ソフトバンクの狙いは3Gに流れるパケットを出来る限りWiFiに逃がし、且つデータARPUはしっかり稼ぐですからね。
痛し痒しな設定はこれからも続くでしょうね。
>名無し3さん
修正いたしました。
お知らせ有難うございます。
>どこも族さん
こういう泥仕合になると本当に孫社長は生き生きしていると思います。
なので何時までも窮地にいて欲しいと思います。
- URL |
- 2009/11/11(水) 21:51:46 |
- 鈴 #GpEwlVdw
- [ 編集]