米Mozilla、「Firefox OS」スマホの開発・販売終了を宣言 ~ GGSOKU
米Mozillaは8日(現地時間)、米オーランドで開催した開発者向けイベントにおいて、「Firefox OS」スマートフォンの開発および販売を終了したことを正式に発表しました。
MozillaからWeb本位の汎用プラットフォームとして2013年に初めてその存在が明かされ、低価格スマートフォン市場に新たな風を吹き込む存在として大きな注目を集めたFirefox OS。しかし、今日に至るまで一般消費者やスマートフォンメーカーの興味や関心を大きく掻き立てることはできず、ついに今回その開発と販売の終了が宣言される運びとなりました。
Mozilla gives up on Firefox OS smartphones, ends development and device sales ~ Neowin
It's been almost three years since ZTE announced the first smartphone to run Mozilla's Firefox OS. The device was called the 'Open', an appropriate name given the open-source nature of the OS; Mozilla even slammed its iOS and Android rivals for not being open enough last year.
去年の暮れに開発終了が宣言されたFirefox OSですが、今更少し取り上げてみます。
最近サムスンが全ての自社製品にTizenを使用する事を検討している件を受けて、
やはり同じような時期に立ち上がり、主要な存在になると思われていたFirefox OSの
失敗の理由などを掘り下げてみたいと思います。
Tizenにしろ、Firefox OSにしろ、とにかく立ち上げが遅かった事が私は気になっていました。
それでもTizenはサムスン一社だけで製品まで作れますので、転用もしやすいという事情も
あり、スマートウオッチにも導入してとりあえず製品デビューさせる事にこぎつけました。
その後スマートホンでもTizen端末を発売し、曲がりながらも細々と端末を維持し続けてきました。
一方Firefox OSの方は、個人向けのテスト用端末はものすごい勢いで売れたのですが、
販売数も僅かで、後が続かなかったおかげもあり、結局は尻切れトンボでそのままOSとしての
勢いも次第に消えて無くなっていきました。
双方が違うのは、端末が継続して出たか出なかったかという事。
私はXperia arcに移植されたFirefox OSを焼いて試していたのですが、Tizenはグローバル版の
Galaxy S3やS4に焼いて試す形になっていました。Xperia arcのFirefox OSは本家が移植して
いたわけではなく、Legacy Xperiaプロジェクトの方で独自に移植されたものでした。
Firefox OSもTizenも、当初はiPhoneに習ってホームボタンのみの1ボタン制を採用していました。
しかしハードウエアはAndroid OS向けを再利用可能です。Firefox OSはLinuxカーネルとHALの
Gonk層はAndroid OSのものを全くそのまま再利用しています。
ずるいと思うぐらいうまく既存のものを利用し、開発の手間を省いて信頼性を確保しています。
なので端末の開発はAndroid向けのものを最低限の変更でスピーディーに進めることが出来ました。
しかしAndroid向けのものをそのまま再利用するわけにもいかない部分も有りました。
それはハードボタンを1つ、必ず要求したこと。
3ボタンならAndroid向けのものをそのまま完全に再利用可能でしたが、1ボタンだったので、
筐体の新規開発が必ず要求されました。3ボタン仕様、またはオンスクリーンキーにしていれば、
もっとスムーズにFirefox OSの端末が沢山出てきた事でしょう。
端末が出てこなければ流行るものも流行りません。
一方TizenはTizen OS v2.3では3ボタン仕様になっています。
生まれは1ボタン仕様でしたが、結局は筐体の再利用性やOSとしての使い勝手を考えて、
3ボタン仕様になってしまいました。尤も、サムスン社内で端末を作っているので、筐体設計の
変更は余計なコストをかけずに生産しやすいというだけで、サムスン内だけならあまり大きな
ハードルでは無いのかも知れません。が、使い回ししやすいのは一つのメリットではあると思います。
こういう部分の変更は他社が生産するFirefox OSの方が積極的に対応をしていかないといけない
はずですが、動かざること山の如し。いや・・・動か無さ過ぎて結局消えて無くなってしまう事に。
Firefox OSはChromeがタブを分離してアプリっぽく見せかける変更を行ったり、Chrome OSで
Firefox OSでやりたい事をどんどん先に製品ベースで実現してしまっていき、しかもAndroid OSでも
どんどんと安価な端末が出てきてしまい、もはやそれ以下の端末では生産コストに見合わない
モノになってしまい、結局はどのメーカーも付いてこなくなってしまいました。
1ボタンだけでも無くして、オンスクリーンボタンにも対応しておけばもしかして何とかなったかも
知れませんけどね。30ドル以下レベルの端末だと大きなコスト差ですよ。
OS側がコストダウンに協力的じゃなかったって事が大きかったような気もしなくはないです。
上手く仕上げればAndroid向けの端末をROMだけ書き換えてすぐに発売できたのですがね。
もしそれで100ドルクラスですぐに端末を出せていたら絶対違う世界になっていたと思います。
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- 2016/06/29(水) 22:04:34|
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