今日は決算説明会。
前回は飛ばしていたので久しぶりです。
それにしても孫社長の顔の血色のいいこといいこと。
一年半前の死に体からは想像も付かないほどつやつやでした。
いきなり自慢したいポイントの紹介です。
ハイライトの2番の設備投資4000億円はTwitterのユーザーの声によってもたらされたという孫社長は
今までネットワークの貧弱さをあらゆる会社やメディアやブログ・コミュニティーで言われてきたのを
800MHzのせいにして無視してきたのに、単なる呟きは耳を傾けるというアンバランスさ。
そういった自慢をしたいなら今まで反論した方に対してまずは謝ってからするべきでしょう。
それをしないから小沢的に嫌われていくわけです。
国内の営業利益予想ランキングで3位だったそうで、「潰れる潰れると言われていたソフトバンクが云々」
とか「JALより潰れる可能性が高いと言われた会社が今は3位ですよ」と鼻高々でした。
よっぽどこのフレーズが気に入っているようです。小沢幹事長並に嫌われる能力には長けているようです。
ARPUが前年を+60円上回ったそうで、これもかなり重要なことだということでしたが、どれだけのユーザーが
S-1バトルや
ギフトお得便の迷惑メールに困っていたのか、どれだけユーザーの財布から掠め取ったかということが
数字で実証された事になります。
決算発表会というのは仮の名前、特に今回は決算のことは上っ面だけで定期的にメディアの人を集めては
ソフトバンクのビジョン講演会といった使われ方をしているように思いました。
孫社長は2009年から5年後に携帯で扱うトラフィックは40倍になる、だから10年後には1600倍になるんだ
という理論をぶち上げていました。(質疑応答で明らかになったところ、40倍はシスコ出典のようです)
10年後の空想に付き合うのはさておき、やはり5年後はそんなものなのでしょうか。
ここから動画がどれだけ利用されるようになるかが増える大きなポイントに成ると思うのですが、
例えばi-modeを普通に利用している人が動画を見だしたら40倍どころではすみません。
5年後10年後は画像自身が今よりも高画質化されて配信されている可能性も高いです。
元々その辺りはパソコンと共通のものなのでYoutubeにおいてはHDモードすらあり貧弱なパソコンでは
能力不足に成るほどです。そんな状況でたったの40倍しか伸びないということはやはり携帯の通信インフラ
の伸びが足を引っ張るということでしょうか。
しかし孫社長はWiFiも持ち上げていますしフェムトも進めています。
パケット消費の多い人は足回りを固めてよりパケットを消費していくことでしょう。
5年後に動画を見ない層がどれだけ当たり前のように(知らずの間に)動画層に取り込まれていっているのか
がこの倍率を決めることになると思います。
その5年で40倍を受けてマイクロセル化やフェムトセル+WiFi化を語っていました。
そのマイクロセル化って・・・ドコモが既に完成させているものでしょう。
フェムトセルだってドコモが先にやってしまいましたしね。
2010年3月末 約6万
2011年3月末 約12万
ウィルコムのロケーションを活用してここまで増やすと言い切ってます。
ホームや事業所のフェムトを含まないとも豪語しています。
でも中継局は含まないとは言ってませんけどね。
でもマイクロセル化で中継局は鬼門ですよね。
そして先ほどの40倍の話につなげていました。
まあ言いたいことは分かりますよ。
データトラフィックが増えるからドコモが必死でマイクロセル化を進める中、ソフトバンクは今まで
お金がかかるから少ない基地局で全開で強力な電波で出来るだけ遠くまで飛ばして必死で逃げてきた
わけですが、ついに花火としてぶち上げました。ドコモに遅れること数年でww
某Keyさんと遊ぶ掲示板には今の4局からは増えないとか0局になるとかネタを書きましたが、
今回の発表で孫社長は1.5GHz帯にはかなりの期待をもっていることは良く分かりました。
でもほぼ鉄塔は建てないですね、ウィルコムのポイントを利用してミジンコセルの増強に力を入れるでしょう。
5年後は恐らくソフトバンク的にはLTEは看板としては存在し、孫社長の鼻息だけが荒い段階で、
実際はDC-HSDPAがソフトバンクのトラフィックを受け止めている段階でしょう。その40倍のトラフィックの
多くの割合はドコモのしっかりとしたマイクロセルがLTEが役割を果たしているのではないかと思います。
実際流れるトラフィック量の割合的にはドコモの1/3以下でしょうね。
光とメタル回線に対して並々ならぬ力説を行っていました。
確かにメタル回線を無くす事は早ければ早いほど余計なコストはかかりません。
しかしそれは「業者側だけの都合」です。
アナログテレビの停派だけでどれだけ大変なことになっているのか知らないわけじゃないでしょう。
自身も2Gの停波でその大変さを知ったでしょう。ADSLなんてまだまだ現役のシステムです。
そうそう簡単にはがせるものでは有りません。
工事費・機材費を完全に業者側で持ち、その上で実際の毎月の支払額が一円も上がらないというなら
乗り換えてもいいという人は増えるかもしれませんが、一円でも増えるならユーザーの猛反対に
あうでしょうね。これもツイートされないときっと孫社長には理解されないでしょう。
ちなみに来年は利益がもたらすFCFから捻出する4000億円の設備投資費のうち、7~8割がモバイル部門に
割り当たるとの事。2800~3200億円がモバイルの設備投資に回るようです。4000億円全額がモバイル
で使えるわけじゃなかったんですね。いつもながらソフトバンクの発表テクニックは素晴らしいです。
てゆうか、今年までと大して変わらないですね。これで12万局達成ですか・・・はぁ・・・ww
それと今年度中に1.5GHz帯にほとんどつぎ込むはずの400億はどうなりました?(消えて無くなりましたw)
iPhoneの販売数に関してですが、全ての携帯機器の中でナンバー1だそうです。
しかも圧倒的にナンバー1だそうでそのグラフが示されました。
本当に圧倒的にその差が有り、有り得ない差がありました。
いやいや実は他の機種は世代を変えていく機種ごとですが、iPhoneはどう見ても
8G、16G、32Gをまとめた上に3Gと3GSを足しこんでいます。
こういう演出はさすがですね。
更にフォトフレームを「世界一売っているのはソフトバンク」だそうで、その契約内容はいちいち言いません。
無料でiPhoneに強引につけているなんて孫社長は言いませんね。しかも純増一位を演出する為に。
やはりさすが孫社長です。
孫社長はTwitterとユーストリームはもう虎の子扱いで、かなり力を入れています。
特にユーストリームはYoutubeに乗り遅れた腹いせがかなり有るでしょう。
iPhoneで普通にYoutubeで見れますが、携帯でYoutubeと言えばやはりドコモというイメージはかなり付きました。
だからこそ孫社長はユーストリームは先進的なイメージを獲得する為に必須というわけです。
質疑応答は笑いました。
ばら色の財務や基地局計画に対し聞き手の態度は織り込み済みだと云わんばかりで皆さん話半分にしか
聞いていないなと感じさせられました。
まずDC-HSDPAの件に関しての質問(というか明らかに突っ込み)に対して言い訳が連発です。
Q4の時点で42Mbps出るのか?という質問に対して「いきなり全国展開するわけではない」とか言って
逃げた孫社長に更に再質問で追い込むと「記者は誤った記事をよく書いていますが、ドコモのLTEも
エリアに一人しかいない場合にしか出ない速度だ」等と、記者が沢山いる場で記者に対して喧嘩を
売っていました。その誤った記事を書く人達が目の前に沢山いるわけですが・・・。
記事で逆襲に遭わなければいいですね。
それとドコモの基地局は500人がアクセスしたら1/500の速度になるそうで、ドコモだけこの事を強調し
ソフトバンクに対しての質問に対してもその事を繰り返し答えていたので多分ソフトバンクのDC-HSDPAの
基地局は何人ぶら下がっても全く速度低下はないのでしょう。非常に明快なミスリードご馳走様です。
ちなみに一人しかアクセスしなければ500倍速度が出るような事実はありません。
普通は速度が下がりだすまではある程度のユーザーがぶら下がっても大丈夫なようになっています。
ドコモが使うような高価な機器なら特にその余裕は多い目にとって有ります。
そうでなければ一人が通信中にもう一人がアクセスを始めたらいきなり速度が半分になってしまいます。
先日のTVで話していた電子カルテ・電子教科書はどうやら本気のようです。
昔、パソコンが流行れば紙の消費量がぐっと減って製紙メーカーは倒産するとまで言われましたが、
逆にプリンタが売れて紙の消費が増大しました。人が見て持ち歩く最終形態は多くの場合紙です。
孫社長の切り札はiPadのようなスレートモバイルのようです。
これを教科書代わりに配るのにお熱を上げているようですが、どうやらDS等と同レベルで考えて
いるようです。しかし子供が使う機器は強度に大してシビアな設計を行っています。
初代ファミコンなんて子供がどんな扱いをしても壊れない事を念頭に置いて設計されていました。
大雨で教科書や本がふにゃふにゃになったことは多くの人が経験していると思います。
今の孫社長の発想は大雨で授業もろくに受けられない生徒が出ても当たり前程度のものかなと思います。
もしその機器がiPadならカバンを置いて公園で遊んでいたりしたらカバンごと無くなるなんてのは
日常茶飯事に起こりそうです。いや覆面の男が次々に下校途中の生徒を後ろから襲うなんて
珍しくなくなりそうですね。端末も子供も無事でありますように・・・。
電子カルテなんてもう既に開始されてますよね。
端末を自分の都合のいいものにするだけでまるで自分が発明したごとき発言は頂けません。
質疑応答までの前半のばら色とその後の後半のコントラストが余りにも違いすぎて笑うしか
有りませんが、ドコモ・NTT批判が余りに目立ったなというのが印象です。
つまりは批判したくなる目障りな理由があるというわけです。
どうやってもかなわないという部分があるのでしょうね。
iPad/iPhoneが奪われることが明らかになったということなのでしょうか?
まだ分からないことですが今日の孫社長の攻撃性を見る限り今後その辺りで面白いことが
起きそうな気がします。
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- 2010/04/27(火) 20:50:14|
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今回、ケータイWatchが決算発表会でのスライド画像をほとんど載せてませんね。
過去の分と照らしあわされると都合が悪いからと親会社的立場を利用して圧力をかけたとかかな?なんてね(苦笑
しょうがないのでpdf資料でざっと注目点をピックアップすると、
まず22年度4Qの解約率が終わってます。
2G+3Gで恐怖の2%超え!
2G解約があったから…と言い訳してたそうですが、3Gだけの解約率でも1.28%。ここ2年間で最悪の改悪率です。
前年同期(0.9%)比で見ても、約1.5倍に増加です(ガクブル)ま、あれだけ改悪を次々行えば当然の結果でしょうけどね。
ARPUは、データARPUがあがっていることを必死に強調してましたが、
そりゃ音声APRUがその分下がりまくりでトータルでは合計ARPUが前年とまったく同じという結果じゃ、データARPUにしか触れられませんって(笑
通話重視のユーザーが指定通話定額のauに逃げていっているのが数字に出てしまってるわけですね。あっちは24時間ですし、通話定額対象となりうるユーザーも多いですし。
フォトビジョン相手に定額通話はできないからなあ(笑
そして問題の設備投資…
22年度2Qでの予定数字
http://k-tai.impress.co.jp/img/ktw/docs/325/240/html/sb2q006.jpg.html
増額前の連結設備投資予定2200億に400億増額で2600億にする予定をぶちあげた
22年度3Qでの予定数字
http://k-tai.impress.co.jp/img/ktw/docs/346/535/photogallery/sbm093qend20.jpg.html
連結設備投資予定約2600億、うちモバイル部門1428億を予定(これは400億を考慮してない数字のよう)
で、22年度通期設備投資の結果はというと、
連結で総額約2229億円。
うちモバイル部門が1847億円。
うーん、なんとも微妙な数字(苦笑
連結総額には400億が反映されてませんが、モバイル部門だけで見ると400億積み増しともいえなくはないです。
400億のことを頭に入れてモバイル部門だけの数字を見ると、がんばった!といえなくもない…とつい思えてしまいますが、
じゃあ前年比ではどうだったの?と数字を照らし合わせてみると
2008年度モバイル部門設備投資額 1991億
2009年度モバイル部門設備投資額 1847億
前年比93%
400億積み増ししても前年割れという結果(苦笑
なんとかボーダ時代の最低設備投資額1742億円を下回ることは防いでますし
2007年度に対しての2008年度の設備投資額前年比85%に比べたら落ち込みが回復しているともいえますが、
絶対的な数字として低すぎる!(苦笑
そりゃ、ソフトバンク自称基地局数がここ1年で2千局しか増えなくて、IMT局増加数と珍しく一致したり、
1.5GHz基地局数がいっこうに4から増えないわけです。
やれやれ。
この結果を見てしまうと、2010年度は4000億!とぶち上げたバラ色の設備投資計画も今まで以上に眉唾物としてしか見れませんね…
- URL |
- 2010/04/28(水) 07:46:22 |
- みっく #-
- [ 編集]
>hatchetさん
私も質問者に対して「かみ合ってないなぁ・・・」とは思っていました。
1.5GHz帯に対してもマイクロセル化に対してもちょっとだけやって既成事実だけ作って決算発表会等で
自慢して終わりでしょうね。ドコモがアレだけ予算を投入して今なお強化しているものに対してあの程度の
予算では話にならないですし。
>通りすがりの SB&Wユーザーさん
ドコモと比較しているのは私じゃなくて孫社長の側ですよ。
>missaileさん
大声を出して極端な事を言ってみたら民衆を陽動できると思ったけど民衆のほうが一枚上手で単純に
食い荒らされたという落ちで大笑いですね。
思い通りにならなかったのをNTTのせいにして矛先を変えていま調整中といったところでしょうか。
>YASUさん
まあその辺は商売上手の範囲内ということにしておきましょう(笑)
>みっくさん
いつもいつもソフトバンクの資料って自社に都合のいい切り口ばかりで見ていて辟易しますね。
3G解約率ですら使い物にならない数字になった途端ぴったりと載せるのをやめたのには笑うしかないです。
ARPUの対前期の伸び率比較も不利になったらぴったりとやめちゃうんでしょうね。
プラスされるはずだった400億円の扱いとそのほとんどをつぎ込むはずの1.5GHz帯の整備はどうしたのでしょうかね。
アレだけ力説していたからには1.5GHzは自ら手を引く訳にはいかなくしてしまったと思うのですけれども。
結局フェムトとWiFi頼りだけになったとしたら笑うしかないですね。
>hatchetさん
後になってまた質疑応答でどうごまかすかが見ものですね。
>どこも族さん
今後のトラフィック予測に対しての設備の準備が既に出来ているドコモとこれからiPadのトラフィックが
雪崩れ込むソフトバンク・・・今年の秋冬頃の両社のインフラの評価が注目点ですね。
今から最高の言い訳を期待しています。
- URL |
- 2010/05/05(水) 01:34:00 |
- 鈴 #GpEwlVdw
- [ 編集]